動脈管開存症(PDA)
胎生期には、肺呼吸をしていないため大動脈と肺動脈の間に動脈管というバイパスの血管が存在します。
通常は、出生まもなく肺呼吸を始めると動脈管は、必要なくなり、自然と塞がります。
まれにこの動脈管が出生後も残ってしまい、大動脈の血流が肺動脈内に流れ込み、心不全を引き起こしてしまうことがあります。
動脈管開存症は、進行すると肺高血圧症に進行し、死亡率が高い病気です。
診断
聴診と心エコー検査により簡単に診断できます。
治療
手術により大動脈と肺動脈の間の動脈管を塞ぐことで治療できます。
症例
トイプードル 10ヶ月齢
開胸術により大動脈と肺動脈の間の動脈管に結紮糸をかけます。
動脈管を二重に結紮します。
動脈管を結紮すると今まで大動脈から肺動脈に流れていた血流が一気に大動脈に流れ込み大動脈起始部が大きく膨らみます。
余分な縫合糸を切ります。
手術直前のレントゲン写真では心拡大が顕著です。
手術直後のレントゲン写真では心臓の拡大が劇的に改善し心臓の形も大きく変わっています。