股関節脱臼

股関節脱臼は、交通事故、転落、転倒などにより強い力が股関節に加わると起こります。

治療

1. 非観血的整復(手術せずに麻酔下で脱臼を整復)

全身麻酔下で股関節を整復して包帯により患肢を数週間固定します。
再脱臼することが多く、外科的手術が必要になることが多くあります。

2. 観血的整復(外科的手術)

1)関節包再建術:人工靱帯等で関節包(関節を包む組織)を補強します。

2)トグルピン法:大腿骨大転子から寛骨臼へ作った骨孔(骨のトンネル)に人工靱帯やナイロン糸を通し、股関節内の大腿骨頭靱帯を再建します。

3)ピンニング法:大転子から寛骨臼にピンを通して脱臼を整復します。

4)創外固定法:整復した股関節に創外固定装置(骨にピンを打ちボルトをつないで固定)で整復する。

5)骨頭切除術:股関節形成不全(股関節が浅い)がある場合や再脱臼を繰り返す場合は、大腿骨頭を切除しなければならないこともあります。

症例

トイプードル、15歳、メス
自宅でフローリングの床で滑り転倒し左股関節を脱臼しました。
トグルピン法(大腿骨頭靱帯再建術)による整復をしました。

術前

股関節脱臼

術後

股関節脱臼