レントゲン検査

デジタルX線画像診断システム

単純レントゲン検査

単純レントゲン検査

消化管バリウム検査

消化管バリウム検査

異物(プラスチック、乾電池、タオル、動物用おもちゃ等を誤って飲み込む)、腫瘍、炎症、潰瘍等の異常を見つけやすくなります。

エコー検査

人間の耳には聞こえない高い周波数の超音波を診断装置から生体組織に向けて発し、反射して戻ってきた超音波信号を画像にしたものです。診断用の超音波は、レントゲン検査やCTスキャンに比べ生体に対する影響はほとんどなく安全に検査が出来ます。
検査の応用範囲はとても広く画像診断だけではなくドップラー機能(血液のスピードや方向を検査)を使った心機能の評価や様々な計測機能による検査が出来ます。

腹部エコー検査

内臓の腫瘍、肝炎、肝硬変、胆石、胆嚢炎、膀胱結石、前立腺肥大、妊娠診断、腹水

腹部エコー検査

腹部エコー検査

心エコー検査

心奇形、心臓弁膜症、心臓腫瘍、心筋症、フィラリア症

心エコー検査

心エコー検査

胸部エコー検査

胸腔内腫瘍、胸水

その他

甲状腺疾患、水頭症、皮膚腫瘍、関節疾患

血液検査

血球検査

赤血球数、白血球数、血小板数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン等の検査をして動物の貧血、感染症、炎症、白血病、多血症等が発見できます。

血清生化学検査

生化学分析装置
生化学分析装置

肝機能、腎機能、脂質関連、糖尿病関連、電解質等の検査が出来ます。

凝固系検査

血液凝固分析装置
血液凝固分析装置

血液の凝固機能(出血を止める機能)を調べられます。

CRP検査

表面からは見えない体の中で起きている炎症の重症度を検査します。
腹膜炎、子宮蓄膿症、腸閉塞、関節炎、腸炎、歯周病等で高い数値が出ます。

内視鏡検査

内視鏡は消化管や気管内の異常を見つけたり、病変部の細胞を取り細胞診検査をすることが出来ます。
また、異物を取り除いたり、ポリープを切除する治療器具としても使えます。

CTスキャン・MRI

CTスキャン、MRI検査による断層画像により通常のレントゲンでは、発見できない異常を見つけることが出来ます。
撮影する部位や疾患によってCTスキャン、MRIあるいは両方を使用します。

CTスキャン(X線で撮影しコンピューターで映像化)

CTスキャン

頭部:鼻の中の腫瘍や炎症、異物など
胸部:胸腔内(肺、心臓、縦隔洞)の腫瘍、腫瘍の転移の確認
腹部:腹腔内(内臓)の腫瘍、腫瘍の転移の確認、消化管内異物
骨格:骨の疾患、関節の疾患、奇形、腫瘍

MRI(磁気で撮影しコンピューターで映像化)

MRI

脳:腫瘍、脳炎、水頭症
脊髄:椎間板ヘルニア、腫瘍、損傷、脊髄梗塞

撮影は、動物検診センターキャミックに委託しています。

歯科処置

歯が折れる事故

交通事故、転落、犬同士のけんか、動物用玩具の不適切な使用等で歯牙が破折(歯が折れる)することがあります。そのまま放置すると歯根が腐り顔面がはれたり、あごの骨が折れたりすることがあります。
これまでは動物の破折治療は抜歯が第一選択でしたが、近年動物の歯科治療が進み抜歯をしなくても歯内治療(歯の神経を抜く)で歯を温存することが出来るようになりました。

歯周病(歯槽膿漏)

歯垢がたまることで歯周病菌が繁殖し歯周病へと進みます。歯周病が悪化すると顔面がはれたり、あごの骨折を起こすこともあります。さらに歯周病菌が血液を介して心臓やその他の臓器で繁殖し思わぬ疾患を引き起こします。

外科手術

麻酔について

外科手術

1.麻酔をかける場合は、必ず絶食が必要です。事前に血液検査、心電図検査、必要に応じてレントゲン検査を行います。
2.麻酔前に点滴や静脈注射が出来るよう静脈留置針を装着します。
3.麻酔15分前に麻酔前投薬(麻酔による脈拍低下や低血圧を防ぐ薬や鎮痛剤)を投与します。
4.導入麻酔と呼ばれる短時間の静脈内麻酔を投与します。
5.導入麻酔で麻酔がかかったところで気管チューブを挿管します。
6.気管チューブから吸入麻酔を吸入することにより麻酔が管理されます。
7.麻酔は、血圧、心電図、動脈血酸素飽和度、呼気中二酸化炭素濃度、体温、麻酔ガス濃度等が監視されながら管理されます。

ペインコントロールについて

ペインコントロール

術中術後の痛みは、動物にストレスを与え、創傷治癒(傷の治り)や感染に対する抵抗性に大きな影響を及ぼします。
手術を行う際は、動物に与える痛みを最小限に止めなければなりません。
当院では、手術開始の数時間前に鎮痛剤であるNSAIDs(非ステロイド系消炎剤)を投与し、手術直前にも麻酔前投薬として別の種類の鎮痛剤を投与してから麻酔をかけます。
さらに手術で切開を加える部分に対して局所麻酔剤による神経ブロックや浸潤麻酔を行い、術中術後の痛みを徹底的に管理します。
→神経ブロックの詳細へ

手術準備について

外科手術

1.手術をする術者は滅菌マスクと滅菌キャップをかぶり無菌手洗い装置と手術用消毒洗剤で手をを洗います。
2.滅菌術衣と滅菌グローブをして手術に臨みます。

手術について

1.麻酔がかけられ手術をする部位の毛刈りを行います。
2.消毒剤入りの洗剤で手術部位の洗浄を行います。
3.さらに手術用消毒剤で手術部位を消毒します。
4.手術室に運ばれて手術が開始されます。

整形外科手術について

骨折、関節疾患、脳神経疾患の治療をする整形外科手術は、他の手術よりもさらに細菌感染の予防を徹底しなければなりません。
これらの器官は、細菌感染を治療する抗生物質がなかなか分布しない(薬が行き渡らない)特性を持っていて一度細菌感染を起こすとなかなか直すことが出来ません。
そこで整形外科手術、特に関節外科手術では、クリーンルームを使用します。

クリーンルーム

手術室(クリーンルーム)
手術室(クリーンルーム)

クリーンルームは決して無菌室ではなく空気中の塵埃(ほこり)を出来る限り少なくした空間です。環境内の細菌(雑菌)は、塵埃(ほこり)に付着して空気中を漂っています。この細菌付き塵埃が手術中に手術部に付着して細菌感染が成立します。空気中の塵埃(ほこり)を除去すれば細菌類も除去出来るという理論で空気清浄度を上げれば空中細菌数を減らすことが出来る訳です。

動物における整形外科手術では清浄度クラス10,000~100,000を目標にすべきといわれています。クラス10,000とは、1立方フィートに0.5μm以下の微粒子が10,000個以下の状態を示します。一般的な事務室の清浄度は、クラス1,000,000程度と言われています。 残念ながらクリーンルームだけでは100%細菌感染を防ぐことは出来ません。手術に使用する器具は滅菌処理がされ、作業する人間は滅菌した手術衣等でほぼ無菌に近い状態に出来ますが、手術を受ける動物の除菌、消毒には限界があります。

それでも清浄度クラス1,000,000の空間よりもクラス10,000の空間の方がはるかに細菌感染が少ないことは明らかです。

新しい医療機械を導入しました

ドレーゲルファビウス麻酔器
ドレーゲルファビウス麻酔器

ドレーゲル社の高性能麻酔器により、従来の動物用麻酔器に比べ、大型犬やトイ犬種に対してもより安全に麻酔管理が行えます。

関節鏡
関節鏡

レントゲン検査やCTスキャン検査では診断できない関節内の病変を小さな傷だけで検査することができ、疾患の種類によっては、そのまま関節鏡下で手術ができます。
動物医療では、まだ新しい分野の治療なため、技術の研鑽が必要です。

超音波手術器
超音波手術器

脳神経外科手術の際に神経や血管を傷つけることなく骨を削ることが出来ます。
腫瘍外科手術では、血管を傷つけずに腫瘍を摘出できます。